2020S [2巡目]違反要件の基本構造・市場・反競争性
2020-06-01
9k26-63
最初に、1巡目のページ(上記previousround.iconマーク)を見ながら振り返り。
Q
供給者の範囲の画定とかって市場画定のところで書くんですか??それとも反競争性のところですか?
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弊害要件・因果関係と条文
独禁法の基本条文/私的独占・不公正な取引方法の条文
「により一定の取引分野における競争を実質的に制限する」
「公正な競争を阻害するおそれ」
供給の代替性 9k60
他の商品役務を売っている者が問題の商品役務に切り替えて新規参入することが容易な状態を「供給の代替性がある」と呼び、そのような場合にそれらの2つの商品役務を合体させた1つの市場を画定しようとする考え方がある。
https://gyazo.com/20be504703e589a1be332e2981fce64a
「市場画定を中間段階で狭目に行い、最終段階の反競争性の認定で調整する」という最近の処理とは、全く逆。
試験界隈では、需要の代替性とセットで「丸暗記」の対象かもしれないが
実際の実務は
9k61上方の事例:複数の市場の状況が異なる場合には合体を認めない。
9k61下方の事例:複数の市場の状況が同じ場合には合体を認める。
違反の成否には影響ない。単に、市場の数を減らし、議論を簡素化するもの。
https://gyazo.com/257f6ec8b8f66f3c64ec99264a58d89c
Q
最後の図の例で、ラーメンの市場ではABのシェアが高い反面、うどんや焼きそばの市場では、ABはCよりもシェアが低い場合にも、カップ麺という市場で包括的に考えるのでしょうか?
関連する質問で、「市場を包括的に考えた方が公取は楽」とおっしゃっていましたが、最初にラーメンの市場での影響力を判断して、その後に類似の市場も考える方が面倒な気がするのですが、いかがでしょうか。
HHIに関して質問があります。
司法試験で企業結合が出題された場合、HHIを検討すべきでしょうか。
私自身は、あくまで実務上の扱いにすぎない(ガイドラインに書いてあるに過ぎない)し、HHIの細かい数字まで暗記することには意味がないから書かなくてもいいのではないかと考えています。
しかし、以前教わった先生(他大学です)には、採点者がどう考えるかわからないし、一応暗記して書いておいたほうがいいんじゃないかという方もいらしたので迷っています。
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11:31
新幹線飛行機問題
「サブマーケットの成立はどのような場合に認められるか?」
供給者選択肢(「選好」preference)が異なるような需要者群が、複数、存在するのが前提
米国でよく言われる基準
供給者が差別可能
裁定取引が不可能
白石)差別の可否にかかわらず、そのような需要者群が、複数、存在するのならば別の市場の成立を認めてよいのではないか。
https://gyazo.com/2ae54c6e340b9615056d275a38b2e9d8
米国で言われることは、そのとおりだが、それは、市場が成立しないということでなく、市場は成立するが反競争性が起きない、ということではないか。
調査官解説が、この事件における市場画定は上記と同じ考え方によるものである旨の解説。
https://gyazo.com/d78646a626e09a86832c6806bfe70df3
事例演習(下記参照)
新幹線飛行機問題を含む(13頁)
8〜13頁だけ、授業中に見る。
https://gyazo.com/4e853372db70d2f6aef4de0455e76d2f
時間が残れば、見る(61頁〜)。
基本的な理解を確認する事例。大きな論点があまり出てこない日常的な事例から確実に「枠組み」を理解することが大事。
「需要の代替性」と「供給の代替性」がセットになって言及されていることを確認。
9k61の上方と下方の結論の違いは、供給の代替性がある場合のみに起こる問題。
市場画定の段階で一旦は落とされた要素に、再び後から反競争性の認定の段階で触れる例。しかも、違反の成立を否定する考慮要素としている。
https://gyazo.com/0c90ef3c292627af0181a08fde598628
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「事例演習」は、ダウンロードして電子または紙で用意していただいても意味がある程度には深めに触れます。
企業結合事例集は、全てをみるわけではありません。
電子なら、もちろん全て持っていてよい。
紙なら、その事例だけでよい。